導入事例


大鵬薬品工業株式会社 
医療用医薬品を取り扱うMRを支援するため
VMware ViewとIBM® Flex Systemを
採用し、iPadを活用した社外業務環境を整備
サービス
VMware View、 IBM® Flex System、IBM Storwize V7000
効 果
iPadを活用したレスポンスの良い社外業務環境の実現でMRの業務効率が向上

  • MR支援として導入したiPadの活用用途が限定的
  • 業務アプリは社内PC向けに特化しておりiPadからは利用不可
  • 日報作成のための帰社がMRの業務効率向上の妨げに
  • 仮想デスクトップの導入でiPadの活用範囲が拡大
  • 社内PCと同等の操作感で社外からも業務アプリを利用可能
  • レスポンスの良い社外業務環境の実現でMRの業務効率が向上

MR支援のため導入したiPadの活用拡大に向け環境整備が急務に

 チオビタ・ドリンクやソルマックなどの人気商品で広く親しまれている大鵬薬品工業だが、事業の主力を担っているのは医療用医薬品だ。抗がん剤を中心とした事業は、売り上げの約8割を占めている。多くのMR(医薬情報担当者)を擁し、全国の病院や医療機関をサポートしている。そのMRを支援するために400台近いiPadを導入したのは、2011年5月のことだった。

「当初は、ドクターに向けて製品の学術的な情報資料をプレゼンテーションする端末として導入したのですが、次第に活用用途が拡大していきました。病院への訪問規制など営業活動への制約が厳しくなったことが、その背景にはあります。情報提供の迅速性や営業活動の効率化が、以前に増して求められるようになったのです」

大鵬薬品工業株式会社
情報システム部 部長
中島 広幸 氏

大鵬薬品工業株式会社
情報システム部
システム管理室 課長
小田 美智春 氏
 大鵬薬品工業株式会社 情報システム部 部長の中島 広幸氏がそう語るように、同社ではiPadの活用用途を次第に拡大してきた。たとえば、MRは新製品の情報や新たな効能の説明に必要なEBM(学術的な証明や裏付け)について日々勉強を重ねているが、その学習のためにeラーニングの仕組みを導入し、移動中の空き時間も学習に充てられるようにした。並行して利用者の拡大も進み、現在ではMRを支援する学術情報部員向けも含めて約900台のiPadが使われている。さらに、日報やワークフローをiPadで扱えるようにしてほしいという要望も強かったと、大鵬薬品工業株式会社 情報システム部 課長の小田 美智春氏は語る。

「日報やワークフローをiPadを使用し、外出先から行う事が出来るようになれば、業務を効率化できるだけでなくMRの負担も軽減出来ます。しかしこれらの業務アプリはすべて、社内のPCから使用することを前提に構築されていたので、対応策を考える必要がありました」

 iPadからアクセスするためにiPad向けアプリの開発を検討したが、多大なコストと時間がかかってしまう。アプリケーションを仮想化して利用することも検討したが、試用したクラウドサービスは接続性やレスポンスの面で難があり、採用には踏み切れなかった。使用感が悪ければ、導入しても使ってもらえない恐れがある。

現場で使ってもらえるよう使用感を重視したシステムを選択

 業務アプリのiPad対応に向けたブレイクスルーは、CSIソリューションズからもたらされた。CSIソリューションズではVMware View環境を自社で構築し、外出先ではiPadから業務アプリを活用している。実際の業務環境でのレスポンスを見た小田氏は語る。

「当時検討していたクラウド型サービスとは比較にならないほどレスポンスが良く、ローカルで動かしているデモ環境ではないかと疑ったほどでした。これなら営業現場でも使ってもらえると実感し、さっそく検証環境の構築を依頼しました」

 検証環境はわずか2週間で完成し、その結果に満足した大鵬薬品工業は、本番環境に向け改めていくつかの要件を示した。ひとつは、約10名を対象とした検証環境と同等のレスポンスを同時接続500人規模で実現すること。もうひとつは、高い可用性と将来に向けた拡張性の確保だった。

 大鵬薬品工業の要件に応えるべくCSIソリューションズが選んだのは、IBMのFlex SystemとIBM® Storwize V7000だ。Flex Systemは高性能なブレードを14枚納められる次世代ブレードサーバーシステムで、大容量メモリやシャーシ内の広帯域通信など仮想サーバーの処理能力を最大限に引き出す工夫が凝らされている。

「現場で使ってもらうためには、PCと変わらないレスポンスを実現しなければならないため、処理能力にこだわったサーバー選定を依頼しました。Flex Systemはその要求に応えてくれたうえに、近い将来に想定される拡張にもフレキシブルに対応できる点が気に入っています。Storwize V7000との組み合わせで、期待通りのレスポンスを実現してくれました」と小田氏は語る。

 さらに、Storwize V7000がSSDとHDDを組み合わせていることにも注目、レスポンス向上とコストパフォーマンスに確実な効果を感じていると述べた。業務データのバックアップ作成にはStorwize V7000の機能であるフラッシュコピーが使われ、こちらもシステム負荷の軽減に役立っている。

今後の活用拡大にも不安を感じない拡張性の高い仮想化基盤を構築


株式会社CSIソリューションズ 第二営業部
マネージャー
小室 径夫
 システム全体の構築においては、多数のVMwareView構築経験を持ち、自社の業務現場でも活用しているCSIソリューションズのノウハウがふんだんに注がれた。これまでにCSIソリューションズは大鵬薬品工業のインフラ基盤の構築を長年支援しており、社内システムに精通していたことも、短期間で効率的なシステムを構築するのに役立ったと小田氏は評価する。

「VMware Viewの機能であるPCoIPのチューニングなど、実際の使用現場で役立つ知識を豊富に持っていたので安心して構築をお任せできました。おかげで実際に運用を始めてからも、レスポンスや使い勝手に関する不満の声は聞こえてきません。既存のActiveDirectoryと連携させることで運用負荷を軽減させる手法など、VMware Viewと社内システムの両方を理解してくれているからこそ取れた施策もありました」

 また、今回はiPadの初期設定をユーザー自身がマニュアルを見て実施する方法にしたが、立ち上げ時にはCSIソリューションズがユーザー向け特設ヘルプデスクを開設したことも、スムーズな運用開始の手助けとなったという。

 現在のVMware Viewユーザー数は約900、同時接続数500を目安にシステムが構築されている。現状、Flex Systemのシャーシに収まっているブレードは7枚なので、2倍まではシャーシの追加なしにパフォーマンスを拡張できる計算だ。今後の活用拡大にも安心して臨んでいけると、中島氏は展望を語る。

「現在はまだ、社内情報をiPadからチェックする習慣が浸透しつつある段階ですが、ワークフローの承認系がスムーズになったなどの好意的な意見がすでに寄せられています。今後は、日常的に社外で活動するスタッフだけではなく、出張時の持ち出し端末などにもiPadを活用していきたいと思っています。仮想デスクトップなので端末紛失時の情報漏えいリスクもなくせるのではないかと期待しています」

 最先端の医薬品を必要とされる医療現場に届けるために、大鵬薬品工業はITの面でも最先端の取り組みを今後も続けていく。

※ 記載された内容は取材当時の情報です。文中に記載された会社名および製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。
導入企業プロフィール
会社名 大鵬薬品工業株式会社
本社所在地 〒101-8444
東京都千代田区神田錦町1-27
事業概要 医薬品、医薬部外品、医療機器の製造、販売並びに輸出入など
URL
  1963年に創業し、現在は大塚ホールディングスの一員として医薬品の研究、開発、販売を行なう大鵬薬品工業株式会社。初期から抗がん剤の可能性に注目し、世界に先駆けて経口投与可能な抗がん剤を開発。先進的な取り組みを着実な研究開発で結実させ、世界各国の医療機関に提供している。
【PDF 版】casestudy_taiho.pdf(1.4MB)