導入事例


日本ケミコン株式会社 
移行負荷を最小化、
2台のIBM iサーバーを短期間で統合。
外部ストレージ(Storwize V7000)と
仮想テープ装置(ProtecTIER)の採用で、
省スペース、運用の効率化と将来の拡張性を確保
サービス
IBM Storwize V7000、IBM ProtecTIER
効 果
外部ストレージと仮想テープ装置の採用で、省スペース、運用の効率化と拡張性を確保

  • 海外販売が 8割を超え、販売・物流・生産システムのグローバル標準化を計画
  • 生産システムの標準化に着手する段階で、2 台のIBM iがリースアップを迎える
  • 機器の入替と同時に運用コストの削減や BCP対策につなげたい
  • 移行負荷を最小限に抑えるため、2台のIBM iを1 台に統合し、従来のLPAR区画をそのまま移行
  • 将来のシステム改築を見据え、他システムとの連携が容易なストレージ装置「IBM Storwize V7000」を導入
  • データ保全の効率化と BCP対策を実現するため、仮想テープ装置「IBM ProtecTIER」を採用

販売・物流・生産システムのグローバル標準化を推進


日本ケミコン株式会社
企画本部
情報システム部長
高橋 幸定 氏

 1931年の創業以来、アルミ電解コンデンサを出発点として、さまざまな電子部品の開発に取り組んできた日本ケミコン株式会社は、1970年代から製造・販売拠点の海外展開を開始しており、現在は国内に3拠点、海外に6拠点の生産拠点を構えている(販売は国内外に30拠点以上)。1993年にインドネシアに工場を新設して以降は、AS/400®上のInfor ERP LX(旧BPCS)で生産管理を行っており、その後、台湾とシンガポール、2005年には国内3拠点の生産システムもInfor ERP LXへ移行させた。

 しかし、Infor ERP LXに統一したものの、「生産拠点ごとのやり方や商習慣に合わせてかなり細かくカスタマイズしたため、拠点ごとにまちまちのシステムになっていた」(企画本部 情報システム部 企画グループ長 木下英典氏)。それが標準化の背景である。そして企画本部 情報システム部長 高橋幸定氏は、標準化の理由を次のように説明する。「当社の販売の8割以上は海外になっています。従来は国内を主として生産システムを構築してきましたが、海外生産へのシフトを進めている状況から、これからは海外を主とし、海外の実情に合う標準化された生産方式をグローバルで展開するとともに、同一レベルの運用を行っていく必要があります。目下、進行中の標準化は次世代のグローバル生産体制を構築するための取り組みで、これまでのERPにこだわらず、最適な手法を用いて開発する計画です」


日本ケミコン株式会社
企画本部
情報システム部
企画グループ長
木下 英典 氏

 販売・物流システムに関してはすでに標準化を終え、2012年10月の国内システムを皮切りに、現在、海外展開中である。新しい販売・物流システムは、従来のERPを廃止し、ユーザー・インターフェースとバッチ系プログラムをJavaで開発し直した。

 こうした中、国内で利用中の2台のIBM i(Power®570)がリースアップとOSのサポート切れを迎えることとなった。

 従来利用してきたPower570は、1台がIBM i6.1(OS)で、LPAR10区画。国内の3拠点と米国の生産システム、およびWeb情報系システムなどを稼働させてきた。もう1台は、IBM i 5.3(OS)、LPAR5区画で、台湾・香港・上海・韓国の各販売・物流システムなどを搭載していた。この2台をより高性能なIBM iに統合することは「検討当初から決めていました」と木下氏は言う。

 また同時に、外部ストレージの「IBM Storwize®V7000(以下、V7000)」と仮想テープ装置「IBM ProtecTIER®(以下、ProtecTIER)」を採用し、従来とは異なる運用をスタートさせることとなった。

2台の基幹サーバーの移行に際し3つの構成案を検討


株式会社CSIソリューションズ
東日本第二事業本部
第一事業部
マネージャー
中尾 義道 氏

 検討段階において、従来から基幹サーバーの構築支援を行ってきたCSIソリューションズから新システムの構成として、3つの案が提示された。第1案は「Power770+内蔵ディスク」、第2案は「Power770+V7000」、第3案は「PureFlex®System」である。

 最初に、第3案のPureFlex Systemが検討から外された。「サーバー統合にあたっては現行の生産システムに手を加えないことを大前提としていたため、IBM i 6.1が稼働するマシンであることが必須でした。7.1への移行に要するプログラム改修の時間とコスト、リスクを回避するためです。PureFlex Systemは新しいコンセプトの機器であり魅力的でしたが、IBM i 7.1であるため残念ながら見送りました」と木下氏は説明する。

 次に不採用としたのは、第1案のPower770+内蔵ディスクであった。理由は、この構成で日本ケミコンが求めるディスク容量を確保しようとすると拡張BOXの増設が不可欠となり、「1ラックに収容できないことが問題」となったためである。同社はサーバーを外部データセンターにハウジングしており、利用スペースが増えればそれだけ費用がかさむ。それに加えて、第2案のV7000のほうが「内蔵ディスクよりも細かくパーティションを切ることができ、効率的な運用が可能になることも第2案が優勢になるポイントとなった」と木下氏は言う。

V7000については、次の3点が高く評価された。

①他システムとの連携が容易で運用しやすい
②2台のV7000でクラスタ構成が可能で、冗長化を実現できる
③SSDとHDDの構成で、高いパフォーマンスが得られる

③のパフォーマンスについては「以前よりもディスク処理が速くなった」と木下氏は実感している。

 採用した「Power770+V7000」は、LPARを15区画とし、従来の計15区画をほぼそのまま収容する形とした。これにより大きな変更や改修を行うことなく「右から左への移行」が可能となり、短期間に作業をミスなく終えることができた。1台目の移行は2013年10月、2台目が同12月で、2014年1月から新システムでサービスインしている。そしてそのバックアップ用として仮想テープ装置ProtecTIERを新たに導入した。

ProtecTIER導入によりバックアップ運用を改善


株式会社CSIソリューションズ
東日本第二事業本部
第一事業部
第一技術課
マネージャー
上野 裕樹 氏

 従来のバックアップは、各区画ごとにテープ装置を配置する方式(計14台を使用)であった。しかしそのやり方を踏襲すると区画数分だけテープ装置が必要になり、煩雑な物理テープの運用が避けられない。「その点、ProtecTIERは、1台で複数台の仮想テープ・ライブラリーとして利用でき、運用を効率化する数々のメリットがあります」と木下氏は言う。ほかにメリットとして挙げるのは、重複排除の機能がありデータを圧縮してバックアップできるので短時間での転送を実現している点と、もう1台のProtecTIERを遠隔地に配置することにより災害対策システムとして活用できる点である。「東日本大震災以降、BCPはシステム部門にとっても大きなテーマとなっています。今回のように統合度の高い集約化したシステムになると、障害による影響がより大きくなる危険性があります。災害対策としてはいろいろな手段があり、いくつか検討しましたが、ProtecTIERでデータを保全できると考え、採用を決めました」と高橋氏は説明する。

 同社のシステムは、生産システムの標準化へ向けて大きな過渡期にある。今回の移行はその過程での取り組みであるが、将来へ向けた布石ともなっている。



導入企業プロフィール
会社名 日本ケミコン株式会社
本社所在地 〒141-8605
東京都品川区大崎五丁目6番4号
事業概要 アルミ電解コンデンサおよび各種コンデンサ、各種精密パーツ、各種エレクトロニクス機器の製造・販売
URL
家電・OA製品や自動車などに欠かせない各種コンデンサのトップメーカーである日本ケミコンは、1931年の創業以来、時流を創造する製品開発に取り組み続けてきた。現在は、グローバルに展開している生産方式の標準化を急ピッチで進めている。
【PDF 版】casestudy_nipponchemicon.pdf(1.4MB)