導入事例


カゴメ株式会社 
仮想化サーバー、統合ストレージを活用し
DRサイトも視野に入れた
新システム基盤を構築
サービス
VMware vSphere, IBM Nシリーズ
効 果
システム全体が冗長化され、万一の障害時にも待機系のシステムを使って業務を継続

  • システム設計、実装に貴重な社内リソースを投入
  • システム基盤の冗長化は一部に留まり、単一障害が全体に影響する恐れ
  • バックアップ処理とバッチ処理が競合するなど運用管理が困難
  • 設計、実装をアウトソースすることで社内リソースをより戦略的業務にシフト
  • 仮想化サーバー、統合ストレージによりシステム全体を冗長化
  • 待機系からバックアップを作成することでバッチ処理との競合を解消

コミュニケーションの要となるシステム基盤の安定性向上が課題に

多くの企業と同様、カゴメ株式会社でも社内外のコミュニケーションの多くをITに頼っている。メールやインスタントメッセージ、オンライン会議システムを利用しており、これらのコミュニケーション基盤は日々の業務の根幹を支えている。しかし、その重要性に対して従来のシステムは十分な耐久性を備えていなかったと、カゴメ株式会社経営企画本部の磯谷亮太氏は語る。

「従来のシステムは、安定性を求めて重要なポイントを冗長化していましたが、冗長化されていないポイントも残っていました。そうしたポイントでは、単一障害が全体に及ぶ恐れがありました」
 日々のバックアップも稼働しているシステムから作成しなければならない。夜間バッチ処理とバックアップ処理が競合しないよう、夜間処理のタイミングを細かく調整しなければならなかった。また、実際にメール基盤に障害が発生し、コミュニケーションに支障が生じたこともあった。こうした事態を回避するため、より障害に強いシステム基盤が求められることになった。

新たなシステム基盤の要件としてもっとも重要視されたのは、システム全体が冗長化され、万一の障害時にも待機系のシステムを使って業務を継続できることだった。稼働系と待機系をスムーズに切り替えられるよう、サーバーだけではなくデータも同期できなければならない。また、2011年春の東日本大震災発生を受け、ゆくゆくはDRサイトを展開できるよう、遠隔地に設置されたサイトともデータレプリケーションが可能なシステムが求められた。

カゴメ株式会社
経営企画本部
情報システム部
東京システムグループ
磯谷 亮太 氏

カゴメ株式会社
経営企画本部
情報システム部長
竹内 宏和 氏
新しいシステム基盤の構築には、これらの機能的な要件以外にも大きなポイントがあった。それは、これまで内製していたシステム設計、実装などの業務をアウトソースへと切り替えることだった。その背景を、カゴメ株式会社経営企画本部 情報システム部長 竹内宏和氏は次のように語る。

「ITは日々の業務に欠かせないものではありますが、食品メーカーであるカゴメの中心的な業務ではありません。私たちは実際の構築作業よりも、ITを使って経営にどのような貢献ができるかを考え、実行することにより多くの時間を割かなければなりません。また、設計や実装をプロに任せることでシステム品質の向上も狙いました」 今回構築するシステムではVMware製品を使ってサーバーを仮想化し、ストレージにはレプリケーション機能を持つIBM Nシリーズを採用したため、アウトソース先の選定においてもそれらの製品に深い知識と実績を持つことが考慮された。その結果選ばれたのは、CSIソリューションズだった。

深い知識と豊富なノウハウがパートナー選定の決め手

 実際のシステム構築は、細かい仕様決定の打ち合わせ等を含めて、約2 ヵ月というごく短い期間で行なわれた。カゴメから提示した要件を、CSIソリューションズが具体的なシステム設計に反映させ、提案。その後、僅かな修正を経て各機能が実装された。

「要件をどのような機能で実現するか、ラッキングの仕方や各機能の使い方まで含めて、具体的な設計や運用手法についてはCSIソリューションズさんにお任せしました。VMware製品やIBM Nシリーズの実装ノウハウも豊富で、それらを活かした提案をいただきました」

 磯谷氏は構築当時をそう振り返る。以前は納入された機器を自分たちでラッキングしていたが、今回は機器のラッキングも機能設定もCSIソリューションズが担当した。その構成はわかりやすく、サーバーとスイッチとの関連性なども把握しやすいので満足していると磯谷氏は付け加える。「設計から実装まできちんとドキュメントを作成してもらえたのも助かりました。アウトソースすることでブラックボックス化してしまう部分が生じるのではないかという不安もあったのですが、それは杞憂でしたね」
 2011年7月にシステムは完成した。サーバーはVMware vSphere4を使って仮想化され、稼働系と待機系のデータレプリケーションにはIBM NシリーズのSnapMirror機能が使われている。ストレージ単体の機能でレプリケーションを実現できるため、システムの構成や運用はシンプルだ。社内での検証を経て同年9月から、既存環境にあるアプリケーションの移行が始まった。社内のアプリケーションを重要度でランク分けし、重要度の高いものから順次移行作業を進めている。

安定基盤を手にし、DRサイト構築に向けた現実的なステップへ

 新しいシステム基盤では稼働系と待機系の同期も確認され、安心感は格段に高まっていると磯谷氏は言う。「要件通りのシステムが完成し、コミュニケーション基盤を安心して使えるようになりました。懸案であったバックアップの処理も、待機系からバックアップを作成し、稼働系のバッチ処理と競合しなくなったため、作業タイミングの調整が楽になりました。現在は、リカバリの省力化や運用管理の可視化に取り組んでいるところです」 VMware Operations Management Suiteを活用して日々の運用管理を可視化し、バックアップからのリカバリを省力化する取り組みも、CSIソリューションズの協力のもとで進められている。

導入して終わりではなく、継続して運用面のサポートを行なっていることも、磯谷氏が評価しているポイントだ。また、サーバー仮想化とストレージのレプリケーションを使った今回のシステムは、構成を大きく変えることなく遠隔地にDRサイトを構築することもできる。こうしたシステムが実現したことで、次の一手も具体的に見え始めたと竹内部長は語る。

「日々安定稼働するシステムを実現できたので、次は災害時にも稼働するシステムへと展開するステップへと進む予定です。カゴメは食品メーカーとして、災害時にも皆さんに確実に商品を届けるという使命を持っています。そのために必要なインフラを、着実に整備していかなければならないことを、2011年の震災で私たちは学びました。日々の業務を滞りなく進めるために、またどんなときにも確実に皆さんに安全な食品を届けるために、より良い仕組みづくりに取り組み続けるつもりです」

 常に安定稼働し続けるシステムの実現に向けた思いは、いついかなるときにも消費者に食品を届けたいという思いに支えられている。その理念の実現に向けて歩み続けるカゴメを、CSIソリューションズはこれからも支援し続ける。

導入企業プロフィール
会社名 カゴメ株式会社
本社所在地 〒103-8461
東京都中央区日本橋浜町3丁目21番1号 日本橋浜町Fタワー
事業概要 調味食品、保存食品、飲料、その他の食品の製造・販売、種苗、青果物の仕入れ・生産・販売
URL
  1899年に創業し、トマトピューレの製造から始まったカゴメ株式会社。以後もトマトジュースやケチャップなど、トマトを中心とした自然の恵みをおいしい食品として届けることを使命に成長してきた。「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」をキャッチフレーズに、おいしいだけではなく、健康長寿に貢献する商品の開発と提供に力を注いでいる。
【PDF 版】casestudy_kagome.pdf(1.6MB)